(湯呑みを削る)

水引の際使う水糸を『シッピキ』とも言います。京都では磁器の器を作る時はミシン糸をつかいました。九谷ではミシン糸では細すぎるので土の陶器と同じように凧糸より強い『水糸』を使うことが多いようです。この『シッピキ』を以前は稲藁を裂いて作ったものです。写真を添付します。原料は稲藁です。(→)ながく持って一週間ほどでしょうか。糸底の離れ具合が良い様に思えました。ただ、人は形や絵、大きさ、色使いを観るのであって、口作りや高台の処理に気付くのは一握りの玄人だけなのです。

轆轤引きのことを『水引き』とも言います。それは轆轤を引く際、水を使うからです。蹴りのロクロと手回しの轆轤ではその水桶を置く場所が違います。それは手回しの際、右手で轆轤を回すため左手側に水桶が置かれているのです。轆轤の回転方向は右回りですが、成形された器を切り離す際、水糸は通常蹴りでは手前から、手回しでは作品の向こう側から糸を当てます。その切り離した部分を糸底と言い、茶陶ではそれを『見どころ』のひとつとしています。その糸底を見れば、その職人の『度量』が判るとも言うようですが、わたしは、30年ほどやってますが、いまだ、その『度量』という物が見えてきません。『度量』がないから・・でしょう。

轆轤(ろくろ)には蹴轆轤(けろくろ)と手轆轤があります。私のは電気ですが、スイッチを間違えて回転が逆になることがあります。まだ素人だった頃、しばらくしてから気がついたものです。焼き物を経験した人はきっとそんな体験を一度はされている筈です。

以前はよく『ろくろは蹴ろくろですか』と聞かれました。いま考えるとよほど『拙い』上がりだったのでしょう。このろくろは鏡(ろくろ面のこと)が45cmほどの大テーブルです。ですから、慣れるまで腰が退けたものです。原動力は電気、普通の轆轤ですが・・ただ一つ、削りの際はこのテーブルの利点を利用してます。電気を使わず、手回しで削ることが多いのです。カンナが入って、轆轤が止まると、そのカンナの止まったところが終着駅です。


はじめに 


ホームに戻る

自己紹介 作品紹介 住所・メール 作陶展 リンク ブログ